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犀川大橋から寺町へと抜ける蛤坂に建つ日本料理店
片町から犀川を渡ってすぐ、寺町台伝統的建造物群保存地区の端に位置する。当初は既存町家の改修を検討したが、残念ながら建物の状態が非常に悪く建て替える計画となった。従前の建物は正面道路側から見て地上2階、地下1階の建物であったが、建替えでは近隣の町並みと馴染むよう建物の高さや外形は大きく変えずに、敷地の高低差を活かし1階床レベルを下げた2階建てとした。外観は町家の意匠を取り入れて蛤坂の伝統的な町並みとの調和を図っている。店内はカウンター形式の厨房内で調理を完結できるように計画しており、カウンター正面の広い壁には大きな食器棚を掛けた。内部は町家の台所を意図しており、土間床で天井は高く、正面の格子窓はトオリニワの高窓のように室内に光をもたらす。犀川を望む東側の大きな開口は掃き出し窓と欄間のような構成とした。素材には打放しコンクリートをはじめ、簡素で力強い素材を用いており、土台と高さを合わせた床框とカウンターには以前は土台に使われることの多かったクリを用いた。
周囲の町家と同じ様に、末永く犀川の景色を形づくってくれることを願っている。